ティーバッグの素材とマイクロプラスチック|話題の研究と選び方

ティーバッグの素材とマイクロプラスチック

秋が深まり、温かい一杯が恋しい季節になりました。手軽なティーバッグを毎日使っている方も多いと思いますが、ここ数年「ティーバッグの素材とマイクロプラスチック」という話題をSNSやニュースで目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。今日はその話題の背景を整理しながら、素材の違いと選び方を紅茶の視点で解説します。

SNSで話題になった「ティーバッグとマイクロプラスチック」

2024年、スペインのバルセロナ自治大学などの研究グループが、プラスチック系素材のティーバッグからお湯の中へ微細なプラスチック粒子が出ることを報告する研究を発表しました。これが各国で報道され、SNSでも「毎日飲んでいるお茶は大丈夫?」と話題になりました。

ここで対象として話題になったのは、ナイロンやポリエステルなどでできた網目状(メッシュ)のティーバッグです。三角形で中の茶葉が透けて見える、あのタイプを思い浮かべる方が多いでしょう。見た目が美しく、茶葉がよく広がるため世界中で広く使われてきた形状です。

ただし、この話題を受けて「ティーバッグは危険」と単純に結論づけるのは早計です。研究は実験室の条件下で粒子が出ることを確認したという段階であり、健康への影響については慎重な検討が続いている分野です。当店でも断定的なご案内はいたしません。むしろこの機会に、普段あまり意識しない「ティーバッグの袋そのものが何でできているか」を知っておくことが、お茶をより納得して楽しむ助けになると考えています。

当店のティーサロンでお客様からよく聞かれるのは、「ティーバッグの紙って、全部同じじゃないんですか?」というご質問です。実は素材には大きく分けて3種類あり、手触りも、お湯の中での広がり方も、そして香りの出方もそれぞれ違います。

ティーバッグの素材は大きく3種類

市販されているティーバッグのフィルター素材は、おおまかに「紙」「不織布」「メッシュ(網目状)」に分けられます。それぞれの特徴を整理しました。

素材主な原料見た目・手触り特徴
紙フィルター木材パルプ、マニラ麻など白~生成りで不透明、やわらかい古くから使われる定番。袋の形や容量によって茶葉の広がりやすさが変わる
不織布合成繊維を含むものが多いやや厚手で繊維の質感がある丈夫で破れにくい。原料は製品により異なる
メッシュ(網目状)ナイロン、ポリエステル、植物由来樹脂など透明で中の茶葉が見える立体的で茶葉が泳ぎやすい。今回の研究で話題になったのがこのタイプ

注意したいのは、「透明だから必ずプラスチック」「紙だから必ずプラスチック不使用」とは言い切れない点です。近年は植物由来の樹脂で作られた透明素材もありますし、紙製に見えても袋を閉じる部分に熱で溶ける繊維が使われている場合もあります。正確に知りたい場合は、メーカーの素材表示を確認するのが一番確実です。

留め具やタグにも素材がある

見落とされがちなのが、ティーバッグの糸・タグ・ホチキスの留め具です。金属の留め具が使われている製品もあれば、糸を結んで留めている製品もあります。細かな部分ですが、使い終わったあとの分別のしやすさにも関わってきます。

ロンネフェルトのティーベロップはどうなっているか

当店が扱うドイツ・ロンネフェルトのティーベロップは、森林認証(FSC)を受けた紙のフィルターを使用しています。金属の留め具は使わず、綿の糸で結ぶ仕立てです。また、1袋ずつ香りを守る個包装に入っているため、開封するまで香りが逃げにくいという利点もあります。フィルター紙については、工業用の堆肥化施設で分解できる素材だと同社が案内しています。

ロンネフェルトのティーバッグがユニークなのは、平たい紙袋ではなく「封筒型」で中に大きめの茶葉が入っていること。紙でありながら袋の中に十分な余白があるため、お湯の中で茶葉がしっかり開きます。ティーバッグでもリーフティーに近い香りの立ち方を目指した設計といえます。

当店のティーサロンでお出しすると、「ティーバッグなのに、こんなに香りが出るんですね」と驚かれることがとても多いのです。初めてのお客様には、まずは紅茶らしい香ばしさがわかりやすいティーベロップ アッサム 5枚入りや、秋の午後に心地よいティーベロップ ダージリン 5枚入りをおすすめしています。いろいろ試してみたい方には、種類の多いティーベロップ 12種類セットが便利です。

素材が気になる方のティーバッグの選び方

「気になるけれど、毎回調べるのは大変」という方のために、日常で実践しやすい選び方を整理しました。

チェック項目見るポイント
パッケージの素材表示「フィルター:紙」「ナイロン」などの記載を確認する
袋の見た目透明で中が見えるタイプは合成樹脂か植物由来樹脂。表示で確認を
留め具・糸金属の留め具か、糸結びか。分別のしやすさにも関係
個包装の有無香りの保持に有利。来客用や持ち歩きにも便利
そもそもの選択肢袋を使わないリーフティー+ティーポットという方法もある

いちばんシンプルな答えは「リーフティー」

素材のことを突き詰めて考えるなら、袋そのものを使わないリーフティーが最もシンプルです。茶葉をティーポットに入れ、湯を注いで蒸らし、茶こしで漉す。この昔ながらの方法なら、お湯に触れるのは茶葉と陶器やガラスだけになります。

手順も難しくありません。1杯あたり茶葉3g、湯の量は約300mlが基本の目安です。沸騰させたての熱湯を高い位置から注ぎ、茶葉が上下に動くジャンピングを起こします。蒸らし時間は細かい茶葉で2分半から3分、大きな茶葉なら3分から4分ほど。あとは茶こしを通してカップへ注ぐだけです。

秋から冬にかけては、コクのある茶葉が特に心地よく感じられます。ミルクティーにするなら香ばしいアイリッシュモルト 100g、すっきりとした香りを楽しみたい日はダージリンスーパーファイン 100gが人気です。ほかの産地も試したい方はブラックティー(紅茶茶葉)のカテゴリからお選びいただけます。カフェインを控えたい夜にはハーブティーもおすすめです。

ティーバッグとリーフティーの使い分け

とはいえ、毎回ポットを出すのは現実的でない日もあります。当店では「朝と昼はティーバッグ、休日の午後はポットでリーフティー」という使い分けをされる方が多い印象です。道具を増やすより、場面ごとに気持ちよく選べることのほうが、紅茶を長く楽しむコツだと感じています。

よくある質問

Q. 透明なメッシュのティーバッグは使わないほうがよいですか?

A. 研究で話題になったのは事実ですが、健康への影響について断定できる段階ではありません。気になる方は紙フィルターの製品やリーフティーを選ぶ、という考え方でよいと思います。不安を煽る情報よりも、素材表示を確かめる習慣を持つことをおすすめします。

Q. ロンネフェルトのティーバッグはプラスチックを使っていませんか?

A. ティーベロップは森林認証(FSC)を受けた紙のフィルターを使い、金属の留め具を使わず綿の糸で結んでいます。フィルター紙は工業用堆肥化施設で分解できると案内されています。ただし全ての部材について当店で検証しているわけではないため、「プラスチック不使用」と断定することはいたしません。

Q. 紙のティーバッグだと香りが弱くなりませんか?

A. 袋の大きさと中の茶葉の質で大きく変わります。平たい袋に細かい茶葉が詰まっていると茶葉が開きにくくなりますが、封筒型のように余裕のある袋に大きめの茶葉が入っていれば、湯の中で葉がしっかり広がります。ティーベロップ アールグレイ 5枚入りのような香り高い茶葉で試していただくと違いがわかりやすいです。

Q. 使い終わったティーバッグはどう捨てればよいですか?

A. お住まいの自治体の分別ルールに従ってください。紙と茶葉のみのものは可燃ごみとされることが多い一方、留め具やタグの素材によって扱いが変わる場合があります。家庭の生ごみ処理機やコンポストに入れる場合も、素材表示をご確認ください。

まとめ

  • 2024年にスペインのバルセロナ自治大学などが、プラスチック系素材のティーバッグから微細な粒子が出ることを報告し、話題になりました。
  • 対象として話題になったのは、ナイロンやポリエステル等の網目状(メッシュ)の素材です。
  • ティーバッグの素材は主に紙・不織布・メッシュの3種類。見た目だけで判断せず、パッケージの素材表示を確認するのが確実です。
  • ロンネフェルトのティーベロップは森林認証(FSC)の紙フィルターで、金属の留め具を使わず綿の糸で結び、1袋ずつ個包装されています。
  • 素材を突き詰めるなら、茶葉とポットだけで淹れるリーフティーという選択肢もあります。茶葉3g・湯300ml・蒸らし3分前後が基本の目安です。
  • 平日はティーバッグ、休日はポットという使い分けが、無理なく続けるコツです。

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